政 策

「今、私たちは街頭で何を訴えるのか」


はじめに

 国の借金は1,000兆円を超えようとしています。日本国民の資産内だから、まだまだ、大丈夫などと楽観論を言う人もいますが、経済成長の見通しも立たず、デフレ状況の中「このままではいけない」との思いが、社会全体に広がっていると考えます。
 これ以上借金をしない、また、借金を減らすためには徹底した歳出削減と行政改革の断行と同時に、成長分野への支援、過度な規制の緩和、一方、国民には自助・共助の精神を強く持っていただき、安易な公助を見直す姿勢が大切です。


1. 増税について(社会保障との一体改革)

 高度経済成長、バブル期に「あれもしよう・これもしよう」と膨れ上がった各施策をバブル崩壊後、徹底的に見直したかと言えば、決してそうでは有りません。
 こんな一例があります「一生懸命働き税金、年金を納め、老後は年金で家賃を払い生活する人より、生活保護を受けている人の方が、家賃の助成もあり、収入が多く豊かだということが起きています。」
 童話のアリとキリギリスが逆転し、働いてきたアリがその後、厳しい生活を強いられキリギリスが安穏に生活していては、子どもたちに童話すら読むことができません。
 「福祉切り捨て」という言葉があたかも錦の御旗となり、かの石原知事ですらバスのシルバーパスを一律無料でなく、手数料として1,000円いただくと言っただけで袋叩きにあいました。
 働ける人には仕事をしてもらう、働きたくても病気などによりそれが無理な人には当然、手を差し延べるのが、本来の福祉の姿のはずです。
 「年間1兆円の自然増があると」政府は平然と言っていますが、1兆円の中身を吟味しているのかは、はなはだ疑問です。
 今の社会保障は、経済成長期・バブル期に膨れ上がったものが、民間は賃金カット非正規雇用の増大という厳しい状況を横目に言わば「聖域」として存在しています。
 先ずは、歳出を削減しましょう。まだまだ、無駄と思えることが多くあります。
 その上で、安定した年金制度・社会保障を確立するために増税が必要となった場合、年金制度・社会保障の内容を具体的に国民に示し、協力をお願いするべきです。


2. 地方分権について

 戦後60数年を過て、わが国のあり方も戦後復興、高度経済成長期までの中央集権体制から、福祉や街づくりなど住民に身近なことは、地方に任せた方がきめ細かな住民対応、効率的な行政運営ができるとの流れが強まり、特に、小泉内閣以降、国から都、都から区への地方分権が進められました。しかし、まだまだ、課題は残っています。例えば、法律で市町村税と定められている固定資産税、法人住民税などは基礎的自治体である世田谷区には納められず、東京都が税収の45%を使い、残り55%が都により23区に配分されています。
 世田谷区の場合、区民の納めた税金の約3分の1しか区民の為に活用されず、納めた税金が身近に、目に見えて使われている実感が持てません。
 世田谷自民党はこれまでも国の補助金、交付金について地方の自主性を高めるべきと訴え、東京都に対しても、本来、市、町、村税である固定資産税、法人住民税を区に戻し、区間の財政格差は区間で水平調整で解決し、福祉、街づくりなどは現場を知っている身近な区政にまかせるべきと主張してきましたが、この実現に全力で努めてまいります。


3. 外交・防衛について

 自由民主党は自主憲法制定のため大同団結し結党しました。戦後60数年を経て国際間は残念ながら軍事力を背景とした外交であり、資源獲得競争も絡み、北方領土の返還の見通しもたたず、竹島、尖閣諸島なども他国の理不尽な主張を許しています。戦後日本と同じ敗戦国のドイツは、憲法と教育はドイツの権利とし、国防力を正式に持ち国家を維持していますが、我国も外交において他国の軍事力に屈しない真の独立国家となるべきであります。
 また、時代、時代により憲法の中身を変える必要も出てきます。他国の例を見ても国民的な議論を経て、時代にあった憲法を改正もしています。わが国も決して例外ではありません。


4. 産業について

 低成長時代の今、日本の技術「中小企業の技術」は世界に誇れるものであり、国、地方自治体が支援・保護し、将来に夢の持てる職場を生み出すとともに、かつて栄えた各地方の地場産業の利点を生かし、世界へと市場を拡大、雇用の機会を増やさなければなりません。
 "区民の財産は区民で守る"の合言葉で区内産業(商業、工業、農業)の支援に世田谷区が一枚岩となって取組んでまいります。
 世田谷区には、東京名所100選の等々力渓谷をはじめ、次代夫掘公園、高遠小彼岸桜のある芦花公園、梅まつりの羽根木公園などの名所や、三軒茶屋、下北沢などの全国的にも著名な商業文化地域も多く、貴重な観光資源として活用し、合わせて、区の特産品(商品、製品、農産物)の開発、販売を促進、支援します。
 また、若者の起業支援を積極的に行います。


5. 高齢者施設について(特養待機者)

 介護保険制度ができるまでは、高齢者福祉は行政措置として行われてきました。ですから、特養ホームも行政から年間予算を決められ、毎年使い切ってきた訳です。
 お金が残ったら、翌年の予算が減額される訳であり、このような体質が根付いたと思われます。しかし、介護保険制度のもとでは、措置からサービスとなり、どの特養ホームも決められた年間予算はなく、各利用者からの費用と保険から運営しなければならなくなったのです。
 これまでの、言わばお役所仕事から民間企業的な経営となったことで、従来からの社会福祉法人に混乱が起こったことは想像に難くありませんし、それが特養ホーム増設にブレーキとなったと考えられます。
 現制度の中でも、運営する社会福祉法人が経営の発想を変えれば、特養ホームの増設は可能となります。もちろん、多くの社会福祉法人はすでに介護保険制度導入後、企業経営的努力を行い運営されていると思いますが、特養ホーム増設のためには、行政が公有地の有効活用の視点で、土地の提供を行うなど社会福祉法人に新施設開設に意欲をもって更なる協力が必要と考えます。
 また、在宅介護の支援に重点を置き、ショートスティ、ディホームなどの更なる充実を図ります。
 医療について、高齢社会の中でこれまで日本を支えてきた方々に、安心して医療を受けられる制度が必要ですが、過度の医療、医薬について見直し、受益者負担の原則も堅持しなくてはなりません。


6.教育について

 区立小学校生徒は、原則として同じ区立中学に進学できるように学区を見直し、小・中が一貫して教育を受ける環境を整え「ふるさと意識」をもち地域と、より連携できる体制を築いてまいります。
 また、子ども達が日本人として誇りを持ち、働くことの意義をしっかりと身につけるとともに、無限の可能性を秘めた、子ども達の個性を伸ばすことを応援します。


7.震災対策について

 東日本大震災以降、地震が多発し、専門家などから地震の発生確率が話題になっています。震災には事前に備えなければなりません。
 緊急時に消防車両等の通行できる道路率は、23区平均で14%にすぎず、世田谷区内では、地域によって大きなバラつきがあります。そのため、幅員も広く、歩車道が分離されている都市計画道路の整備を促進するとともに、狭あい道路の拡幅のため、国から移管された「畦畔・水路・赤道」なども活用し、住民の協力を求め地区計画などを定め、着実な街づくりが必要です。
 また、電柱の地下化、バリアフリーの促進に努めます。
 震災後の区民は、自らの身はまず、自らで守る事を、より認識し、家具の転倒防止などの備えをしていただき、避難所運営など共助の精神を日頃より、たかめてもらう必要があります。


8.環境、エネルギー対策について(環境保護・原発問題)

 地球環境保護のために、地球温暖化対策が必要です。そのためには、人間とその社会は地球生態系の一部であり、自然は人間とその文化の基盤であるという認識の下、自然の恵みを享受し、その恩恵によって人類の生存基盤が維持されるような、自然と調和・共生した社会づくりを進めることが必要です。
 世田谷区の取り組む、緑33(平成44年区政100周年を目標に緑率を33%にする)は、豊で多様な自然環境を保全・再生し、自然とのふれあいの場や機会の確保等を推進していくことが必要で、さらに、壁面緑化・屋上緑化などを図るとともに、災害時に都市空間として重要な役割を担うためにも100ha.強まで減少した区内農地を保護します。
 エネルギー対策については、原発事故でいろいろな事が解るようになりました。
 電気は今の人間生活に欠かせない存在です、しかし、今般の事故で代替エネルギーへの転換も叫ばれています。クリーンなエネルギーとして太陽光発電、風力発電が話題となっております。転換するために、人々が大量消費に生活の豊かさを求める画一的な社会から脱却し、生産者も消費者も自らを変革していくことが必要となります。

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